ゆう先生の教師の教室

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授業の上手い先生になろう! 単元作りで絶対にやるべきこと6選

こんにちは。ゆう先生です。

 

授業準備。教師にとって永遠のテーマです。

生徒に価値提供をするうえで最も力を入れなければならないのが「授業」だと思います。

にもかかわらず、われわれ教師は授業についての研修をほとんど受けずに現場に放り込まれ、授業を行います。

特に若手の先生、初任の先生は、どうすれば授業が上手い教師になれるのか、暗闇を手探りで進んでいるような感覚かもしれません。

授業を作るためには、もとになる「単元」をしっかり作らなければなりません。

ということで今回は、教師歴10年以上を迎えた私なりに、単元づくりでやるべきこと6選を解説したいと思います。

自分が実践してきたことを若手の先生たちに少しでも役に立つように書いていきますので、読んでくださると嬉しいです。

 

ベテランの先生たちは「10年目程度のひよっこがなんか言ってるわ~」と思いながら、気楽に読んでいただけたら嬉しいです。

 

この記事でわかること
・時間がない中でも授業づくりで絶対にやるべきこと6選が分かる
・明日から自分の授業をブラッシュアップさせる方法が分かる

 

記事を書いているゆう先生はこんな先生
・教師歴11年
・東京都の授業に関する研修(2年間)を修了
・ICT担当教諭、道徳推進教諭を担当

 

目次

 

 

授業準備で絶対にやるべきこと6選

①単元の目標を決める
②単元の目標達成のための課題を決める
③その課題に取り組むために必要なことを洗い出す
④何をどの順番で取り組ませるか考える
⑤どのくらいの時間で取り組ませるか考える
⑥どこまでできればいいかを考える

 

私が授業準備で心がけているのは、ずばりこの6つです。

「学習指導要領見ないの?」とか「板書計画は?」とかいろいろ聞こえてきそうです(笑)

たしかに学習指導要領は時間が許すならば見返した方がいいです。できれば単元の計画を決める、年間の計画を決める、と言った時には見返して欲しいです。

何を教えるべきかを明確にできる、教師にとっての道しるべが学習指導要領ですから。

でも、常に学習指導要領を傍らに置いて、いつでも見返す……という時間的ゆとりがないことも事実。

だから、日々の授業準備ではじっくり学習指導要領を見返すよりも、

上にあげた6つの点に絞って授業準備をしています。

研修をしなくていいよ!ってわけではありません。
実務にこだわるなら、この6選!というわけです。

 

 

①単元の目標を決める

この単元で生徒にどんな力を身につけさせるかを決めます。

・動詞の特徴(=知識)を理解することができる!

・登場人物の心情を読み取ることができる!

・文章に書いてあることを論理的に理解することができる!

・自分の意見を論理的に表現することができる!

・相手にわかりやすく、楽しくプレゼンテーションをすることができる!

こんな感じで、単元が終わったときに、目の前の生徒たちがどうなっているかを決めましょう。

・どんな知識を理解して、活用することができるようになっているか

・どんな思考ができるようになって、どういうことが表現できるか

教科書にも目標がありますから、単元の目標を必ず作ってください。

 

ただし、ここで絶対に押さえてほしいのは

「単元の目標は必ず自分の言葉で作ること」

です。

何かを参考にしてもいいんですが、作る目標は必ず自分の言葉にしてください。

国語以外でもこれってめちゃくちゃ重要で、

目の前の生徒が今どのくらいの達成度で、自分の単元でどこまでできるようにさせるか、

これって平均とか一般的な書籍の表現とかではカバーできないことです。

同じ単元でも目の前の生徒が違えばアプローチ方法が違います。

だから、必ず「自分の言葉で」目標を作るようにしてください。

 

さらに、できる人は「年間指導計画の中でどんな位置づけか」も考えられるとベスト。

それができなくても例えば

「あ~、説明文では前回接続詞を中心に読み取りをやったから今回は別の目標を~」

ぐらいのイメージで、単元の目標を作れたらオッケーです。

 

私も教師として2年目、3年目くらいまで、なんとなく取り組んでいた頃は、

説明文ならやっぱり段落の関係だよな~

とか

とりあえず物語は主題をとらえさせないと

みたいな感じで、どの単元も同じようなことをしていました。

「以前の単元でどんなことを扱ったので、今回はこれを身に着けさせよう!」

すでに終了している単元に意識を向けられれば、

「なんとな~く同じことをしている先生」から脱出できます。

 

 

②単元の目標達成のための課題を決める

○○ができるようになったらこの形で確認させよう!

こんな感じの単元の最終課題を決めましょう。

国語でいうと「言語活動」ですね。

 

「登場人物の心情を読み取るという目標」を決めたら

「キャラクター目線でセリフを書かせる」という課題を決める

こんな感じですね。

 

例えば昔、私が「少年の日の思い出」で実践した内容です。

「『少年の日の思い出』を読んで、心情をとらえる」

という目標を作って、

「今のあなたが『私』だったら『客』にどんな言葉をかけるか」

という最終課題を設定しました。

 

『客』=『僕』ですから、『僕』の心情を読み取れていれば、『私』が『客』にかける言葉が浮かんでくるはずです。

今ならまた別のアプローチで課題に取り組むかもしれません。

でもこんな感じで、単元の目標と単元の課題を結び付けて最初に決めておくと、

単元全体の芯がぶれることなく授業を進めていくことができるようになります。

最近勉強した21世紀型教育のルーブリックを参考にすると、分かりやすく日本の学習指導要領とも離れていないのでオススメです!

you1990.hatenablog.com

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③その課題に取り組ませるために必要なことを洗い出す

「目標」「課題」の二つのゴールが決まれば、残りはもう少し!

目標達成のための課題に取り組むために必要なことを洗い出しましょう。

国語でいえば

・読み取らせること、事前に理解させておくこと
・復習しておきたい既習事項
・練習させるスキル
・調べさせること
などなど。どんなことに事前に取り組んでおけばいいか洗い出しましょう。
 
ポイントは「洗い出すこと」
紙でもなんでもとにかく大量に書き出してみましょう。
ちなみにアイデアをアウトプットするときは打ち込むよりも手書きが圧倒的に速いです。
私はいつも真っ白のA4用紙を机に常駐させています。
……はい、マコなり社長の真似です(笑)この動画の第1位です(笑)
 
こんな感じで自分の頭の中にぐるぐるしている「取り組ませること」を徹底的に洗い出してください。

頭の中で思考しているだけではダメです!次のステップもスムーズに進みません!

 

④何をどの順番で取り組ませるか考える

必要なことを洗い出したら「何をどの順番で取り組ませるか」を計画します。

順番を決めるときの大原則は

 

「Aを知っていないとBが分からない」を常に意識しておくこと

 

これさえ知っていれば、順番を間違えることはありませんよね?

10人に聞いて10人が、「A→B」の順番に取り組ませるはずです。

この考え方を教師の業界用語で「既習事項」と言います。

「既習事項を活用して~」

この言葉、学習指導案で見たことありますよね?

 

順番を決めるときに、内容も取捨選択しましょう。

理科の授業で、生物について学習している最中に、原子記号について復習させる教師はいません。

この例はとても極端ですが、単元の課題に取り組むためにそれってそんなに必要ないよね?ってことに一生懸命取り組ませている先生、一定数います。

時間は有限ですから、1から100まですべてを毎回復習してあげなければいけない……わけありませんよね?

何を取り扱うかが決まれば、自然と順番は決まってきます。

 

ある場面の心情を把握させてから、全体のストーリーを確認する教師はいませんよね?

全体のストーリーを確認してから、「じゃあこの場面は?」って指導しますよね?

 

九九の掛け算を教えてから、足し算を教える小学校の先生はいませんよね?

足し算の概念を教えてから、九九の概念の説明をしますよね?

 

扱う内容が決まれば、順番は自然と決まるはずです!

 

⑤どのくらいの時間で取り組ませるか考える

もう単元の骨組みは決まってきていますから、あとは時間を決めるだけです。

①単元のボリュームを考えて、全体で何時間使うか考える

②単元の課題にどのくらいの時間をかけさせるか考える

③前のステップで整理した内容をどのくらいの時間で取り組ませるか整理する

 

授業の時数は有限です。

無計画に進めれば際限なく時間が必要になります。

だから、「どのくらいの時間をかけさせるか」を常に考えて計画しましょう。

 

ちなみに私はこれが一番苦手です!(笑)

 

なんでかな~と毎回思いますが、詰め込みすぎて終わらないというパターンにはまることがあります。

逆にいって内容を絞り込みすぎて時間よりずっと早く終わってしまうこともあります。

もう少し進歩しろよ、と思いますが(笑)、

なかなか生徒は思い通りに動かないので、難しいポイントです。

でも、全体の時数が決まっていれば、オーバーしないように調節しながら授業を進められます。

逆に理解していない生徒を置いていかないようにすることだって可能です。

 

「うまくいかないな」の連続なのに、何とか予定時数の中に収めることができるのは、

「どのくらいの時間をかけさせるか」を常に最初に計画して授業に取り組むからだと思っています。

 

 

⑥どこまでできればいいかを考える

最後は評価です。

評価は後だしじゃんけんでは絶対にダメだと思っています。

いろいろな考え方があると思いますが、評価基準を決めておくのは教師がやるべき最低限の仕事です。

ゴールが分からないとどのように進めばいいか、生徒も困ってしまいます。

ルーブリック型で評価基準を決められればそれがベストです。

「時間がない!」という先生は「A・B・C」の基準を文章で作っておくくらいでも構いません。

 

作るときは「○○ができる」とか「○○が書けている」など

「できる」を明確にした形で文章化することを強くお勧めします。

 

そして評価基準は「課題に取り組む前」に生徒に示しましょう。

「何ができたらいい評価になるのか」を知らないとどう頑張ればいいかわかりません。

そんなの点取り虫を育てるだけになっちゃうよ~

はい。私もそう思っていました。

だから、私は

私の評価基準以上になるように頑張ってね!

と一言付け加えます。

 

教師が想像している以上の力を生徒はもっているはずです。

A評価をマックスで示してしまうと「言われたことをやるだけの生徒」が出来上がってしまいます。

だから、「想像だにできない成果もあるから、ぜひそこを目指してね」と伝えます。

「想像だにできない成果」は何かは生徒に考えさせます。

これが正解かどうかはわかりませんが、私の想像を超えようとチャレンジする生徒も現れます。

主体的に学習に取り組む態度の一つかもしれませんね!

 

 

うまくいかなくても大丈夫!魂をもって少しずつスキルアップ

うおー!これは見事にはまった!!!

そんな風に思える単元、年間にいくつあると思いますか?

11年目の私は「これはうまくいった!」と思う単元、たぶん3つくらいです。

 

謙遜ですか?

自分に厳しい俺かっこいい!ってやつですか。

 

いいえ、違います。

部分的にはうまくいったって思います。

生徒の目を見てよかった!と思います。

提出される振り返りを見て「学びがあったんだな」と思うこともあります。

成果物を見て立派だなと思うこともあります。

 

でも、やっぱりもっとうまくいく方法があったなって毎回思います。

だから「うまくいった!」は3つくらいだと思うわけです。

 

大切なのは、

授業の上手い先生になりたい!

もっと向上したい!

という魂だと思っています。

 

でも学校の先生って時間がない……

だからこそ今回解説した6選を、私は大切にしています。

 

もっともっと時間をかければ、いい授業ができるかもしれない。

でも、私にだって他に大切にしたい時間がある。

大切にしたいものがある。

だから、「短い時間で自分の最大限のパフォーマンスを出せるように工夫する」

その結果が「絶対にやるべきこと6選」でした。

 

私の職場に毎日21時、22時まで残って仕事をする若手の先生がいます。

私自身、若手のころはそうでした。

「それが当たり前」という雰囲気ももちろんあります。

 

でも、研修もなく、採用された7日後に、顧客の前にたった一人放り出されて、

さあ、最高のパフォーマンスをしろ!という企業って絶対ないですよね?

 

教師ってそういう仕事です。

 

4月1日に採用されて、4月7日には始業式。生徒=顧客の前に「たった一人で」放り出されます。

 

「生徒にとっては初任も10年目も関係ない。先生は先生なんだ」

なんどそう指導されたことか。

んなわけあるか!って、今は思います。

 

初任者の頃は死に物狂いで仕事をしました。

10年目で思いました。「そんなのっておかしい」

だから、少しでもそういう思いをする若手の先生、初任者の先生が減るほうがいいんです。

みんな魂のある先生ですから、いつかうまくいく日が来る。少しずつスキルアップできればいいんです。

 

今日の記事がほんの少しでも明日からの行動を変えるきっかけになればうれしいです。

みんなで楽しく、先生をやろう!

 

最後まで読んでくれて、ありがとうございました。